虹浜ラブストーリー 読者の体験談・ご感想

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原作:柴門ふみ 作画:元町夏央『虹浜ラブスト―リー』単行本上下巻/講談社 モーニングKC発売中!!(マンガボックス掲載作品)           読者のみなさまからの体験談(地元にまつわる話・初恋話)ご感想を掲載中!!

(アロマニアさん 専門職 20代 女性)

10代の終わりに体験した私の話になります。

18歳の時両親が離婚し、私と3つ下の妹は仕事もしてない、逮捕歴もある、遊び呆けている父親に引き取られました。
生活費もなく、その日を生きるのが精一杯で、友達に紹介された夜の世界に入ることにしました。始めて半年、父親と同い年の飲食店経営の方と職場で知り合い、今まで外で個人的に会うことはなかったのですが、その人とは何故か遊びに行くようになりました。
でも彼は手を出してこない。
ただ、食事に行ったり、カラオケに行ったりするくらい。
何度目かの時、その人は自分の話をしてくれました。両親が離婚し、学校を辞めて仕事を始めたこと。
専門職につきたくて、弟子入りした頃の苦悩。でも今は楽しいんだと言うこと。
私も悩み、自分の話をした時、その人はボロボロと泣き、「辛かったね、大変だったね」
「俺が守ってあげたいんだ」と言ってくれました。
お家に遊びにも行ったし、いつも美味しいご飯を食べさせてくれて、私の妹まで一緒に。
でもお店の事業拡大の話が持ち上がり、私もその人の仕事の手伝いをしていました。
そんな時、他県に引っ越す話が出ました。
彼は私に付いてきて欲しいと話をしてくれましたが、私が地元を離れる決心がありませんでした。妹がまだ学生だったこともあります。
彼は妹の面倒も見ると言ってくれましたが、そこまで甘える勇気もなかった。裏切られたらどうしよう。そんな気持ちも拭えず。
結局、最後の最後まで彼は一緒にと言ってくれましたが、断り。
後ろめたさもあり、お見送りにも行かなかった私です。
今は結婚して、子供もいますが、時々地元に帰り、彼が経営していたお店を見ると、胸がギューっとなります。

半年くらいのお付き合いでしたが、今でも彼には感謝しています。
「あなたのおかげで今の私がいるよ」と、本人には伝えられなかった感謝の気持ち。

今もずっと「ありがとうございました」と思っています。